『大乗院寺社雑事記』応仁元年六月二日条  ・現代語訳

 一、随心院殿からの手紙をもらった。京都の様子はいよいよ混迷を極めているようである。とくに九条家が被っている御迷惑は計り知れないものがあるという。なぜなら京都中で売買が中断し、そのため食料が一切入荷せず、その御迷惑は申しようもないという。禁裏・仙洞も例外ではないという。今度、(将軍家の)御旗が日野内大臣のもとに預けられることとなり、そのため細川方が近日中に内大臣亭を焼き払うと申しているという。それを受けて内大臣亭では堀が掘られているといい、九条家に対しても夫銭が賦課されたようである。大門・小門の前に大きな堀が掘られ、この様子では万が一火事が起こっても、邸内から脱出することが出来なくなってしまい、きっと焼け死んでしまうとと言われているという。珍事とはまさにこのことである。近衛家の大門・小門の前も、日々夜々、合戦場となっているという。□□公方の御旗のことを尋ねられたところ、一色がこれを取って敵方に渡してしまったということらしく、急きょこれを新調することになったようである。
(中略)
公方(足利義政)は今出河殿(足利義視)と若君(足利義尚)と同じ所におり、現在のこの状況(西軍と東軍とに分かれて睨み合っている状況)は大変迷惑だという様子である。
                               (作成:高木徳郎)

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